Thursday, December 23, 2010

YOUNG FOLKS


友人のライターが集英社から単行本をだした。ブロンクスで彼の文章をさ

いしょによんだとき、正直、下手だなぁとおもった。素人のぼくが言うの

もなんだけれど、素人目にもわかるくらいに、文章が叙情的になりすぎて

いて、読んでるほうがさめてしまうという文章だった。そのときぼくと彼

は同じESLに通っていた。


「書く対象への思い入れを客観視していない文章は、読者は離れていくか、

なんとなく恥ずかしい思いをするかもなぁ」というような、おおまかな感

想をぼくはたしか言った。それを聞いて「それはおいといて、ストリップ

にでもいこう」と彼は言った。なんでや! と心のなかで思ったけれどま

それはそれか、とついていった。彼のそういうバタリティをぼくはすき

だったのだ。


タイムズスクエアのストリップ小屋についてから1時間くらいしてぼくら

は踊り子さんに地下につれていかれ、お金をせびられた。奥で、がたいの

いい黒人がふたりこちらをにらんでいて、ははぁーんやってくれたのぉ、

とおもったけれどあとの祭りで、彼が法外なチップをぼくのぶんも奴らに

払った。


1年前、NYCで彼と再会したとき、バーで「英語でビールたのめるように

なったの?」ときいてきたので思い出したが、ぼくらは全く英語ができな

かったのだ。彼の文章をはじめてよんだのも、ストリップにいったのも、

10年も前のことなのだ。



いろいろあって大変だったし、

完璧には程遠いけど、自分の

今の力量やら、できること、

できないこと、得意なこと不

得意なことがいろいろわか

ってよかった。



彼は出版をしらせるメールにそうかいてきた。正直、彼が大手出版社から

本をだせるなんて想像もしていなかった。たぶん、この十年間、すごい努

力をしたのだろう。


「10年毎日やれば、その道で、どんな人でも食えるようになる。これは

保証する。ただし、10年、毎日やらないといけない」


吉本隆明の言葉はやっぱりあたっているのかもしれない。マルクスも同じ

ことをかいている。曰く、「自然に人間が影響される」


彼はやってのけたのだ。いろいろあって大変」で、「完璧には程遠い」

だけれど、とにかくやったのだ。かっこいいと思う。かっこいいと

こいうことを言うんだろうなと思う。


-yuji






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In October 2008, Shakers was born in the small apartment in Bushwick. Three music enthusiasts got together, listening to the beautiful music. This ritualistic gathering was simply called Listening Party, and it usually went down until six in the morning. Each one of us were baptized by pure pleasure of every elements of the sound, and formed organically the group called Shakers.