Wednesday, October 20, 2010


最近は仕事がおわっても、なにかしら仕事的なことをしている。仕事ではないも

のもあるが。とうぜん疲れる。こうなると悪いクセのひとつで、英語をはなすの

がうっとうしくなり、仕事場ではダンマリをきめこむ。


しかし沈黙というのは、長いあいだつづけていると、大きな声と同じくらいの音

をはっしはじめる。ひときわ大人しい人が目立つのはそのせいだ。だから1時間

にいっかいくらい沈黙でかたまった、自分まわりの空気をほぐさなければならな

い。そうしないと、沈黙の音はしだいに大きくなって、不協和音へと変わってい

く。つまり他人に気をつかわせることになる。


沈黙不協和音をださず、かつあまり話さなくていい方法は音楽を小さく、直接ス

ピーカーから流すことだ。仕事場ではだいたいGeorge Winstonのピアノソロを

きいている。


この人はコアなジャズファン(どういう人のことをいうのか知らんが)からみた

キースジャレット的な立場の人(たぶん)で、その毒にも薬にもならなさそうな

音楽性から、ピアノソロ界の大衆音楽最右翼、というイメージがつきまとい(こ

れもたぶん)、ファンだという人に日米を通してあったことがない。レコード屋

にいけば1ドルコーナーにきれなままのジャケットでなげこまれている。


しかし、この人の音楽をぼくは好きだ。才能のある、いい音楽家だとおもう。聞

いているとこの人の人となり、育ってきた環境やなんかが想像される。音楽は、

たとえるならばミシガンあたりの田舎街の、おじさんおばさんが週末にすこしだ

けおしゃれをして、ひさしぶりに夫婦そろって出かけていく演奏会のための音楽。

それは音楽のあり方の一つとして、理想型に近い。


12月1日、バルークカレッジに演奏にくる。会場のチョイスに、音楽とおな

じ哀愁が、たっぷりとただよっている。もっと哀愁があるのは、箱根彫刻の森美

術館のCM音楽に使われたら、ぴったりだろうなということだ。ヴィデオは彼の

弾くカノン。あっさりとした、いい演奏である。


-yuji


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In October 2008, Shakers was born in the small apartment in Bushwick. Three music enthusiasts got together, listening to the beautiful music. This ritualistic gathering was simply called Listening Party, and it usually went down until six in the morning. Each one of us were baptized by pure pleasure of every elements of the sound, and formed organically the group called Shakers.